あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。
昨年12月より新しい機材CANONのミラーレスカメラEOS R6 Mark IIを導入しました。
これまで通り一眼レフの5D Mark IVもメインカメラとして使いつつ、ロケ、動画撮影などでこちらも活躍すると思います。
早速12月のうちに仕事でも使う機会があったのでこれまでの一眼レフとの違い、5D mark IVとの違いなど感じたことをレビューしていきます。
仕事でのメインの撮影ジャンルは、商品撮影、人物撮影、イメージ撮影などECサイト、ブランディング、PR、広告、そしてWEBサイトのイメージ素材撮影、WEBメディア、印刷媒体の取材撮影、建築・竣工、インテリア撮影、イベント、ステージなどの撮影が多く、つまり撮影対象は物撮り、人物、建築などまんべんなく撮影しています。
写真と併せての動画撮影だったり、個人のお客様からの撮影依頼もあります。
目次
ミラーレスを導入するタイミング
5D Mark IVや最後のEFレンズ群は本当に完成されていて、まだあと数年は仕事で使うには何も問題ありません。5D Mark IVは買い足したりしながら使っていましたが、今度は寿命が来たら最後だと思っています。そろそろミラーレスの導入をはじめようかと何ヶ月か様子をみていました。
プロカメラマンが使うCANONのミラーレスカメラの選択肢としては、R5、R6、R3あたりが候補になりますが、まず私の仕事の範囲ではR5の4,500万画素は高画素過ぎて必要がありません。R5のRAW撮影ではこれまでのようにサイズの小さいRAWで撮ることができないようで、強制的に大容量の重いデータを処理しなければいけないので、PCのスペック、HDの容量、管理・レタッチの手間が増えてしまいます。かといってR6の2,000万画素ではトリミングやジオメトリ補正のことを考えると少し心もとないな、という印象がありました。
また、プロでも使える信頼性といった部分を考えても、発売後のユーザーからのフィードバックが反映、改善されるであろう各機種の「Mark2」の発売を待つべきかなと思っていました。
R3については、申し分ないスペックではありますが、その価格を考えると躊躇してしまいます。
そんな折、思ったより早くR6 mark IIが発表されたので早速予約購入して12月中旬より使用しています。今のところRFレンズは購入せずマウントアダプターを介してEFレンズを使っています。(※2023年2月最初のRFレンズとしてRF24-70mm F2.8L IS USMを導入しました)
画質・解像感
2,400万画素というのが撮影性能、レタッチ処理、データ管理面から考えてもちょうどバランスの良い画素数だと思います。3,000万画素の5D Mark IVと比べて若干低いですが、2,400万画素を3,000万画素に引き上げても十分な解像感を保っていて、スタジオ撮影の画像を3,000万画素の状態で5D mark IVの画像とブラインドテストをしても違いはほぼわからないでしょう。
スタジオ撮影以外での暗いところや光量差の大きい場面など悪条件でのデータについてはまだ比べていませんが、5D mark IVと機種違いで併用するにはちょうど扱いやすいデータです。
また、ロケ撮影で使った際、ダイナミックレンジはたしかに向上しているという印象でした。
スタジオ撮影の作例での画像比較です。ピアスのイメージ写真。
オートフォーカス・瞳AF
R6 Mark IIというよりミラーレスカメラになってからの機能になりますが、瞳AFはやはりとても重宝します。これまで一眼レフで撮影するなかで特に困っていた部分ではないのですが、瞳AF・瞳検出機能があることで撮影中のピント合わせに余裕が出来、そのぶん構図や背景、露出、状況認識など他のことに意識を使えるようになるのが大きいです。
また、ミラーレスということで一眼レフでは機構上必要だったレンズのAF微調整やズームレンズのAFずれがなくなり、絞り開放に近い撮影では特にピントが気持ちよく決まるようになりました。
R6 Mark IIでは前機種よりさらに検出対象やAFスピード、トラッキングが強化されたようで、ほぼ私には関係ないオーバースペックですが、余裕があるということはいざという時にも安心です。連写についても基本的には低速連写しか使いませんが、40コマ/秒というのは特殊な撮影時などいつか使うかもしれません。
ファインダー撮影時にモニターを指でタッチ&ドラッグしてAFの位置を移動できる機能も便利です。ミラーレスではこれまでの一眼レフとは違って全面にAF測距点が広がっているので、その中からフォーカスさせたい位置へ素早く移動させるにはコントローラーでは不十分です。
タッチ&ドラッグの触り具合や移動感覚もすぐに慣れることができました。
MFピーキング・フォーカスガイド
これもミラーレスになってからの機能だと思いますが、MFピーキングとフォーカスガイドが使いやすいです。合焦範囲が強調表示され、さらにフォーカスガイド機能でスポット1点の狭い測距エリアに設定すると、ピント合わせのガイド表示で合焦するポイントがわかりやすいです。
昔のレンジファインダーカメラで二重像を合わせるような感覚でマニュアルフォーカスできます。
ちなみに上のモニター画面ではわかりやすくピントの山を左側のピアスに持ってきていますが、実際は少しでも両方のピアスにピントが来るよう、少しずらしてフォーカスガイド上はどこにもピントが来ていない状態にしてF5.6で撮影しています。
操作性
電源スイッチが右手側に移動したことでとても利便性が良くなりました。撮影に集中する部分が右手で完結できるので、今後の機種もこれで統一してくれるといいなと思います。これまでの電源スイッチの位置には静止画・動画の切り替えスイッチがあり、写真撮影、動画撮影それぞれの設定をしっかり分けて使えます。
カスタムモードC1〜C3への登録も、静止画のとき動画モードのときそれぞれC1〜C3まで登録できるので、ワンオペでの動画撮影を含む仕事のとき、カメラ2台持っていくとはいえ現場での混乱がなくなりそうで助かります。
右肩の液晶がないことは最初は戸惑いましたが、慣れると問題ありません。
ボタンカスタマイズに割り当てる機能が豊富に設定できるので、5D mark IVでの設定と混乱しないよう、改めて両方のカメラを設定し直しました。
ボディ
ボディの大きさについては、プロが使用する想定でも問題がないギリギリの小型・軽量化を狙っていると思いますが、私には若干小さい気がしました。マウントアダプター経由でEFレンズを付けているのもあるかもしれませんが、重いレンズを付けたときのバランスも気になりました。
それにバッテリーの持ちもまだまだ良くないというのもあり、バッテリーグリップも購入しました。フットワークを軽くしたい現場を除いて、基本的にはバッテリーグリップを付けて使用しそうです。
このR5、R6シリーズ用バッテリーグリップのボタンの微妙な位置関係は最初戸惑いますが、そのうち慣れていくかと思います。
動画
動画の録画性能は順当に進化しているのはもちろん、画期的だと感じたのはまず動画撮影時間の30分制限がようやくなくなったことと、録画中の画面に赤枠のREC表示が点滅表示される機能です。
本番撮影前にテストで録画ボタンを操作していたり、録画スタートボタンの押し込みが弱かったりで実際は録画されていなかったという「逆Rec」防止のために大変わかりやすいモニター表示になりました。
動画撮影時のボディ内手ぶれ補正、動画電子ISもついているので、ジンバルを持ち込んでないときの簡易的な動画の記録にも便利です。
その他所感
USB Type-Cで給電しながらの使用やバッテリーの充電ができるのも大変便利です。PCと一緒に持ち歩くことも多いので、余分なケーブルやアダプタ、バッテリーチャージャーも必要とせずにモバイルバッテリーやカフェ、ホテルでの充電が気軽にできます。
撮影時にズームレンズの焦点距離表示が出たり、クロップでAPS-Cサイズで撮影できたり、フリッカーレス撮影の進化、ダブルスロットの「カード1優先」など、これまでのカメラと比べて何かと痒いところに手が届くような配慮、進化だと感じました。
メカシャッターの耐久回数も40万回というのに驚きました。電子先幕を基本にして使い分けようと思っていますが、もうひとつ不満点を言うとしたら電子シャッター時のシャッター音くらいでしょうか。音量を調整できるのは大変便利ですが、電子シャッターの「音」そのものが、です。
メインカメラ、サブカメラという位置づけではなく、ストロボを駆使するスタジオ撮影では5D Mark IV、クリップオンストロボのみで撮影する取材やロケ撮影、静音シャッターを使いたいステージ撮影、動画撮影はR6 Mark IIをメインとしつつ、柔軟に使い分けていきたいと思います。
米子への出張時に宿泊したホテルの近くで、ライトアップされた日本海の海岸をR6 mark II ISO12800で撮影しました。